〜石の風化と草木の悩みを解決!〜
集団墓地のリフォームについてご紹介します。
目次
集団墓地でまずはじめにすべき事
集団墓地とは。。
過去に区画整理や道路拡張などの理由により各地の墓所が1箇所に集められた霊園。その際、当事者同士の話し合いにより同じ規格の墓所が連続で建てられたもの。また、価格も同じに調整された。その為、隣の墓同士が繋がって共有部分が存在する。
上記の説明どおり、今回は隣のお墓と共有部分がありますので事前に隣家の工事了承や金銭面での話し合いが必須になります。
(住宅に例えると、家同士がぴったりくっついて壁を共有していると考えてください)
集団墓地の確認事項
- 隣地との共有部分があるため、工事の胸を伝える
- 共有部分の石交換等の費用はどうするか(工事側が全額負担か、折半かなど)
これらの事を工事前に確認しておかないと後々トラブルの原因になる可能性があります
まずは現在のお墓の悩みをPickUp!
お墓の修繕工事って、『お墓の傷んでるところ、直したいんですけど』というお話からスタートします。
でも一番大切な事は、現在お墓に対してどんな不都合な点があるのか打ち合わせの中で整理していく事なんです。
そうしていくうちにどんな工事をしたら解決できるのかが見えてきます。
今回は以下の内容をピックアップしました!
- 大谷石が風化している
- 木の手入れが大変
- 草が生えないようにしたい
- 階段の段差が危ない
- 以前納骨した際、カロート(納骨室)の中が湿気でびっしょりだった
連続した集団墓地です。外柵材は全て大谷石ですね。今回は御影石に全て交換します。
飛び出た階段も少し危ないのでバリアフリー化します。
お墓の中は現在土の状態なので草が生えますね。今度は石貼りにしましょう。
左写真 墓所後部が石塔の両横に木が茂っています。
右写真 お墓の背面を撮影した様子。隣家と連続しているので風化が著しく進んでいる一番下の段のみ御影石に交換し、その上は大谷石を復元します。
既存の外柵を解体処分
では早速解体工事に取りかかりましょう!
前方部分から解体を開始し、同時に土を抜いていきます。墓所内中に根が張っていますので根切りしながら進めていきます。
背面も解体し、抜根も済みました。正面に見えるコンクリート製のものがカロート(納骨室)です。
コーナー部分は木の根と土圧により、既に破壊されていました。
こうして石塔以外の全ての石を撤去します。
バリアフリー化のために前面は基礎を打設
今までは墓所内全てが土でしたが今回は階段を無くし、バリアフリー化するため前方部分は敷石貼りになります。
お墓の構造そのものが変わりますのでコンクリートを打設します。
このコンクリートを新たに追加した所まで御影石が組まれます。
御影石据え付け工事
御影石の外柵を据え付け、内部には土ではなく砕石を入れます。土の成分を御影石が吸い込んで変色を防ぐためです。
砕石から見えている石はこの上に板石を貼るため、将来的に板石が重さで沈下しないようにするための柱です。
御影石工事も進んできました。石に貼ってある黄色いテープは目地コーキングのためのマスキング(養生)です。
御影石の隠れたジョイント部分にはアンカーボルトを打ち込み、ステンレスプレートで固定します。
白いものは石材用の接着剤です。
御影石工事、背面の大谷石も復元してきれいになってきました!
石塔は一時的に降ろして水垢等掃除します。
カロート(納骨室)内部に除湿剤を敷設
前述しましたが、以前納骨式でカロートを開けた時、湿気でビショビショに濡れた状態でした。
骨瓶の中も結露により水が満タンに溜まっていました。
今回はカロート内部に除湿剤を散布します。床面の白い砂利のようなものが除湿剤です。
付属品を復元して完成!
過去碑、塔婆立て等の付属品を設置したら完成です。
以前の灯籠はコンクリート製だったので新たに御影石の灯籠に交換しました。
ようやく完成ですね!
左写真 以前は木が茂っていた所もスッキリときれいに!
右写真 風化が進んでいた大谷石の最下段も御影石に交換。
新旧比較
というわけで集団墓地のリフォームをご紹介しました。
今回は比較的多いご相談内容でしたが、お墓に関する悩みは多種多様ですので何でもご相談ください!
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